トラウマ
掲示板等で「足にあわない」、「長時間履いていると痛くなる」、「一部分があたる」といった話は良く聞かれますが
その場合の一つの対策として、「靴底を変えてみる」というものがあります。
しかし私の場合は、無理矢理履き続けて慣れたか、履かなくなったかのどちらかでした。
インラインスケートを始めた頃に、市販の靴底を買って試したことがあったのですが
その時の感想としては、あまり良いものではなかったからです。
CR等で、路面のコンディションが悪い場所を滑走する際などには、柔らかな靴底は
その振動を吸収してくれましたが、靴底がずれたり、理想の足の形を作ってくれるという
靴底は、そのでっぱりが足に当たって違和感や痛みを伴うものでしたので
ということで、この後しばらく靴底には手を出しませんでした。
但し、思い返してみれば前回の失敗は
・まだスケートに乗れていなかったので、変な加重をしていた。
・ケチって購入した市販の靴底が私の足にあうものではなかった。
・足裏のアーチが今と違っていた。
・フィット感を必要としないレベルであった。
・スケートのスタイルが違っていた。
といった心当たりが沢山あります。
きっかけ
仕事が一段落して、少し考えながら滑る機会が増えました。
また、3年目にしてようやく少しはシビアなバランスを必要とする滑りを始めたのですが
この年に履いていたTwisterXVは乗り方によっては足の内側がどうしてもあたるのです。
お目汚しですいません(^^;)
また、現状は少し余裕があるのですが、トゥやヒールを使う滑りでは靴の中で足が動くのはマイナスです。
Remixの人から聞いた話では、彼らの中には足が痛くなるくらいキツイサイズを履いて
インナーが伸びるのを待つというくらいフィット感を重視している人もいるという話を聞きました。
そうしているうちに次第に
・来年度の靴ではあたりがでないという保証はない
・そもそも、今年と同じサイズの靴で良いのだろうか?
という不安が湧き上がってきました。
そこでなっしーさんがカスタムインソールによって靴を合わせてもらった話を聞き(2005-9-29のblog)
次期モデルまで間があるこの次期に自分の足について知っておくことも重要かと思い
思い切って行ってきました。
調整と解説
ソルボについて言えば、フィッティングを行ってくれるお店は概ね全国にあるようです。
時間も30分〜1時間程度であわせてくれますので都合さえつけば平日でもフィッティング可能ですね。
もっともお店の誰でもフィッティングが出来るわけではないので事前にTEL確認はしたほうが良いでしょう。
というわけで靴を持ってV3 kadoya に行ってきました。
お店の中に並ぶインソール群。
「既製品で行きますか?カスタムで行きますか?」
「カスタムの場合、インソールが¥6300で調整が¥2100になり・・」
・・・。
「カスタムでお願いします」
・・・、というわけで立ち姿勢を診断してもらってから
バキュームで型取りして靴底の成型です。
ソルボジャパンのページやソルボをキーワードに検索すると
その解説は随所にありますのでとりあえずここでは
私が伺ったお話と体験して理解した理屈を解説します。
(でも、図でわかりやすくするために少し極端に解説しますね)
本来は、土踏まずが浮きあがって形成される空間(アーチ)は
クッションになったり、関節に無理がかからない姿勢を保つ重要な
働きがあるのですが、
姿勢の崩れや、靴、歩き方などで崩れてくることで
膝や腰に負担がかかったり体が傾いたりするようです。
私の場合は、このアーチが潰れて土踏まずがペッタリと床につくいわゆるべた足になってました。
すると、その分だけ「舟状骨(しゅうじょうこつ)」が内側に飛び出すので靴にあたるわけです。
それにより、踵の軸も内側に倒れるので足を正面に向けた状態で膝を曲げると膝が内側に入るのです。
そのために、足は逆ハの字になりがちなのでした。
そこでインソールで土踏まずの内側を持ち上げてやると、曲げた膝が足に対して真っ直ぐに入るようになります。
これにより、膝のねじれがなくなったので膝に対する負担が軽減された。
ワンフットの際に真っ直ぐに乗りやすくなった。
という点がハッキリ変わったといえます。
また、正確に足の長さを計測して、アーチを作ると私の靴のサイズは今より15mmも小さいものでよさそうです。
実測の結果、履いている靴よりで小さくなったという点はなっしーさんのお話と同じです。
また、ここで重要なアドバイスがありました。
スケーターの人は靴などにはお金をかけるけど、普段の靴で手を抜いているということです。
スケートより長い時間履いている靴できちんとアーチを形成する事もとても重要だということでした。
また、運動靴でもそのまま履けるように靴紐を緩めにしているのも足の形を崩す一因らしく
普段履きの靴でも靴紐をしっかり絞める習慣をつけるべきだそうです。
(この靴紐の結び方を見ているとアイススケートな人達はとても個性があるそうです)
実際、その場で普段履き様にインソールを一つ買いましたが(こちらは既製品)
土踏まずのフィット感が普段からスケートを履いている感じにもなり、またこの
インソールのサポートにより歩き方自体がかなり意識したものになるために
自然と背筋が伸び膝が真っ直ぐに曲がる歩き方になりました。
具体的に意識できる点として、例えばつま先が真っ直ぐ前に向きます。
その為、両つま先を開いた柔道で言う自然体の姿勢がとりにくくなります。
アドバイスをありがとうございました。
さて、滑走。
●確かに変わった、ワンフット。
今まで、アウトに流れていたのが無くなり、切り替えしがスムーズになりました。
そのせいでパイロンが広がったような感覚すらありました。
特に、膝を大きく落とした場合により違いが感じられました。
●進むようになった。
べた足の方が真っ直ぐにスケートを押せると思っていたのですが、アーチを作ったほうが
より真っ直ぐに力が伝わっているようで、押したときの加速があがったようです。
(実はこれはこの次の項目に起因していたようです)
その為、動きによっては大回りになることもありました。
●無意識に傾いていた姿勢を矯正。
少し滑走していると足の向きや傾きに違和感を感じました。
しかし、足元を見てみると真っ直ぐに乗っています。
つまり自分が真っ直ぐ乗っているように感じていただけで
実は自分の足そのものが傾いていた事を発見しました。
●靴の反応が良くなった。
靴のサイズは大きいままですので、まだ確かに靴の中で足が泳いでいるのですが
自分の足の形に合わせてつくったカーブに足がはまる為に
遊びが減って応答が良くなりました。
●舟状骨があたらなくなった。
勢いよく足をついた瞬間に、以前はその衝撃が足裏にダイレクトに来て同時に
舟状骨のでっぱりがカフに擦れて痛かったのですが、アーチの形成により
衝撃が減り、足が擦れることもなくなりました。
お陰で以前は連続してできなかった動きの練習ができるようになりました。
●素の状態で利き足側の膝がつま先より内側に入ることが気になるようになってました。
定期的にインソールを調整しながら使い続けることで矯正されていくらしいのでそれに期待。
クドイようですが・・・
もちろん、アフリエイトなんかでなく思ったままに書かせていただきましたので
万人にお勧めはしませんが、少なくとも私にとっては今回は買って正解でした。
吉と出るか凶と出るかは保障しませんし、履いたから上手くなるとも言い切れません。
また、今回私が色々と感じることが出来たのは私の姿勢が悪かった事もありますが
実際、始めた頃の私が同じ感想をもてたかは今でもわかりません。(^^;)
ありがたみを特に感じるためには、その不自由さを感じてからでしょう。
今回私が感じた装着感も感覚的なものや微妙なもので、これを機に出来なかった技が急に出来たワケではないので
未だにワンフットでパイロンを抜けられない嫁さんにこれを勧めようとも思いませんが
靴を履いて色々と足に負担のかかりそうなことをさせている息子には作ってあげようかな?
なんて思ったりしたのが率直な感想です。
あ、言い忘れてましたけど、私は暗示にかかりやすいタイプです(笑)